2025年から、日本のパスポート(旅券)申請システムが大きく変わります。手数料の改定、オンライン申請の導入、そして偽造対策の強化など、様々な変更点があります。この記事では、これらの変更点について詳しく解説していきます。
旅券手数料の改定
2025年3月24日からの手数料改定により、以下のように変更されます:
旅券の種類 | 現行料金 | 2025年以降の料金(書面申請) | 2025年以降の料金(オンライン申請) |
---|---|---|---|
10年旅券 | 16,000円 | 16,300円 | 15,900円 |
5年旅券(12歳以上) | 11,000円 | 11,300円 | 10,900円 |
5年旅券(12歳未満) | 6,000円 | 6,300円 | 5,900円 |
オンライン申請の改善
2025年からは、旅券の更新(切替申請)のみならずマイナポータルからスマートフォンやパソコンからパスポートのオンライン申請が可能になります。オンラインの場合、2025年3月24日以降は新規の旅券申請も戸籍謄本の提出を省略できるようになるようです。
オンライン申請の手順
- マイナンバーカードを用いた本人確認
- オンライン申請システムへのアクセス
- 必要事項の入力と顔写真のアップロード
- 電子署名による申請書の提出
- 交付通知の受け取り
- パスポートセンターでの受け取り
現行の外務省によるオンライン申請の動画はこちらから
外務省の旅券の利便性向上と偽変造対策強化等の取り組みについてはこちらから
偽造対策の強化
2025年発行の新パスポートでは、国際的な偽造防止基準に準拠した最新のセキュリティ技術が導入されます。特に注目すべき点は、人定事項ページ(顔写真が掲載されているページ)の大幅な改良です。
- プラスチック基材の採用ー従来の紙ベースから高度なプラスチック基材への変更により耐久性の大幅な向上
- ICチップと顔写真ページの一体化ーICチップを内蔵したページと顔写真ページを一体化し、チップの物理的な保護強化とデータの改ざん防止機能を向上
- 最新の印刷屋透かし技術ー特殊インクによる多層印刷技術の採用し、デジタルスキャンでは再現不可能な特殊パターン
- 国際標準との整合性ーすでに欧米諸国で導入されているこれらの技術は、国際民間航空機関(ICAO)が定める最新の国際標準に準拠しています
この大規模な技術革新により、日本のパスポートは世界最高水準のセキュリティを確保することになります。ただし、これらの高度な偽造防止技術の導入により、パスポートの製造工程はより複雑になり、その結果として発給までの期間が従来より長くなることをご理解ください。
発給期間の延長について
海外へ渡航する方にとって一番気になるのがパスポートが発給されるまでの期間について。新しい偽造対策技術の導入に伴い、パスポートの製造工程が複雑化します。そのため、申請から交付までの期間が以下のように変更されます:
- 現行:約1週間
- 2025年以降:約2週間以上
※ 急を要する渡航の場合は、その旨を申請時に申し出ることで、できる限りの対応を行います。
注意事項
- オンライン申請にはマイナンバーカードとスマートフォンが必要です
- 手数料改定は2025年3月24日以降の申請から適用されます
- 受け取りは本人が直接パスポートセンターに来所する必要があります
- マイナンバーカードやスマートフォンが無い方は従来の窓口での申請も引き続き可能です
- 海外在住の方は、新しいパスポートの発給期間が3週間ほどかかる可能性も(日本からパスポートを送らなければいけなくなるから)
- 現在の未成年のオンライン申請についてはこちらをご確認ください
まとめ
2025年のパスポート制度改革は、セキュリティの向上とデジタル化の推進という二つの大きな目標を達成するものです。 今後はより安全で信頼性の高い旅券が発行されることになります。オンライン申請の導入により、申請の利便性も大きく向上します。
新制度への移行期間中は若干の混乱も予想されますので、パスポートの更新を予定されている方は、余裕を持った申請をお勧めします。
必ず外務省による最新情報をこちらからチェックしてください
*この記事は2024年11月現在の情報に基づいています
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